冷え性は、特に女性に多く現れる症状です。
ここでは、冷え性を改善させる方法についてご紹介いたします。

栄養バランスに気をつけて食事を摂る

身体の仕組みとして、37℃より温度が低い食べ物を摂れば体温が上昇し、37℃より温度が高い食べ物を摂れば元の体温に戻すような働きが備わっています。
体温の恒常性を維持する仕組みを良好に保つために、栄養バランスの取れた良い食事を摂取することが大切です。

身体が冷える食べ物を控えて、積極的に身体が温まる食べ物を摂れば冷え性が改善するという考え方がありますが、実際にすぐ冷え性が改善するわけではありません。
例えば、身体を温める食べ物として有名な「トウガラシ」は、力プサイシンという成分が体温を上昇させてくれる主な働きをしています。
しかし、トウガラシが含まれているカレーライスなどを摂取して体温が一時的に上昇したとしても、汗をかくことによって体温が低下してしまいます。

また、ショウガは体温が上昇するとされていますが、ジンゲロールという成分が多く含まれており、血流を促進します。こちらも、一時的な効果であるため冷え性の方がショウガを大量に摂取しても改善には繋がりません。
冷え性を改善させるためには、食事全体の栄養バランスを整えることが必要です。

例えば、果物や野菜は葉や皮、茎など丸ごと摂ると無駄なく食材が持っている栄養素を摂取することができます。

タンパク質を摂る

食事で摂ったものの約8割がエネルギーとして熱になりますが、胃腸が弱いなど栄養の吸収が良くない場合や、食事の量が多くない場合だと、体温が下がってしまいます。
そのため、胃腸の環境を整えることが冷え性を改善するために重要となります。
カロリーは栄養素によって異なり、1g当たり9kcal(脂肪)、4kcal(タンパク質と炭水化物)となっています。
この中でも、タンパク質が熱として最も消費量が高くなります。

タンパク質は、尿素をアミノ基や脱アミノ反応から作る過程において熱を作り出します。
一方で炭水化物は、グリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられており、グリコーゲンが筋肉を動かして熱を作り出します。
そのため、炭水化物を多く摂取している人は、体を動かせば熱が発生し、運動量が多くない人は、タンパク質を摂る量を多くすれば熱を発生させやすくなります。 一般的に男性と比べて女性は、身体活動量が多くないので、冷え性を予防するためには十分なタンパク質を摂取する必要があります。